2024-03-03 ヤマザキパン地獄のアルバイト17日目(最後の日)

2024-03-03 ヤマザキパン地獄のアルバイト17日目(最後の日)




今日が最後の日なのだが、ラストを飾るのにふさわしいくらい今までで最も過酷で最もキツかった






今日の朝は道路が異常に空いていて、いつもより30分も早く着いた

 

奇跡だ

 

道路のいつも暗い景色に朝日が見えて朝が早くなったことを実感した





僕は通勤中ここの道路の景色が一番好きだ





今日の場所は菓子パンだった

 

菓子パン課にいくと、菓子パン第二と言われた

 

初めての場所だった

 

案内されていくとおばちゃんが物凄いスピードで作業していた

 

見た瞬間に絶対無理だと思った

 

バターロールを作る工程だった

 

バターロールは機械で切って丸められた状態で展板という板の上に並べられて出てくる

 

1枚につきなんとバターロール24個だ

4列6行で並んでいた

 

ただ機械がボロいせいか板のくぼみの位置に落ちていない

 

向きも位置もバラバラのめちゃくちゃ

 

ロールパンの生地は巻いて作ってあった

 

でも、その巻き方がエラーだらけで上手く巻けていないのばっかり

 

2つ分の生地が一緒になってるエラーもしょっちゅう

 

それらのエラーを一瞬で判断して箱に投げ入れる

 

エラーは2-3割はあった

 

そして正しく巻けてるやつもまた位置も向きもめちゃくちゃなので向きと位置を整えて、さらに巻き終わりの部分が下になるように回転させて置く

 

1枚の展板が来るまでは10秒だった

 

つまり、1秒で3-4個のバターロールでそれを行わなくてはいけなかった

 

整えるための動きの図入り説明が正面に貼られていた

 

両手で一度に2個整える

それを、カタカナの「コ」を90°回転させたような動きで縦方向に判断しながら整えていく

 

0.5秒で両手で2個行うペースだ

 

それを前のめりになりながらひたすらやる

 

まだある

 

エラーが出て空いたスペースはかならず別の板から持ってきて置いて24個分全て埋めないといけない

 

今思い出しながら書いててもむちゃくちゃだ

 

他の作業の軽く10倍はある仕事量だった

 

見て判断して手を動かしてたら全く間に合わない

 

目で見てのエラーの判断と手の動きは完全に独立して並列作業してノンストップで手を動かしてギリギリ間に合うという感じだった

 

ま正面で正社員の人が同じ事をやっていたのだが、僕がやってたのよりさらにプラスアルファで別の作業もやっていた

 

僕の隣にもう1人バイトが用意されていた

 

僕たちふたりは作業を分担してギリギリ何とかやっていたのだが、正社員の人は一人でそれを楽々やってしかも別の作業までやっていた

 

僕は時計をチラ見する余裕すらないくらいにギリギリだったのに

 

今日はそれを8時間ほぼ全部それだけだった

 

前のめりになってそれらをやらないといけないので、背筋の筋トレ運動を10秒に1回のペースで8時間やってるのと同じで背中がちぎれそうになって乳酸で動かなくなって死にそうだった

 

ヤマザキパンでの作業で最も頭脳を酷使する作業でもあった

 

なにしろエラー品の判断や位置の修正のための判断を一瞬でやり続けないといけなかった

 

朝ご飯は無料の試食パンのセブンのジャムパン300kcalしか食べてなかった

 

そのせいで脳を酷使して急激に低血糖になってフラフラで視界がふらつく

 

流れるレーンを見ながら一瞬で判断して作業して目も回る

 

体は乳酸で動かない

 

本当に頭も体も動かなくなってしまって

本当に倒れる寸前だった

 

なんどと倒れそうになったけどギリギリのところで踏みとどまって耐えていた

 

何とか作業だけをこなしていたのだが全くできてる気がしない

 

なのでそのように社員の人に言ってみたらこんなことを言われた

「初めてとは思えないくらいにしっかりやれてる。これみんな出来ない。今のままでちゃんとやれてるから大丈夫」

 

僕自身は全く大丈夫じゃなかったのだが、そう言われるとうれしくてやる気が出てしまった

 

しかしあまりの過酷さで15分という長い休憩が3回も入った

 

他の場所では午後に1回だけ10分くらいのトイレ休憩があるだけだったのに

 

このバターロールではあまりの過酷さで

午前で15分休憩が1回、午後で15分休憩が2回もあった

 

正面でやってた正社員も人もさすが交代で休憩入れてた

 

作業し続けててこの作業何かに似てる気がするなと思ってたら、たこ焼きを針みたいなやつで高速で大量に作ってる時の作業風景にそっくりだと思った。

 

ひたすら自分の限界の能力の全力でやりまくってひたすら食らいついて作業をこなし続けた。

 

真正面でやってる社員の人の動きをなんども盗み見ては真似してずっと動きについていこうとし続けた。

 

なんとかしようと全力を出し続けてたらだんだん慣れてギリギリ間に合うペースでなんとか動けるようになってきた。

 

休憩の時に隣で役割分担してたバイトの60歳くらいの肥満のおじさんに「キツイですよね」と話しかけたら「超ラクショー」と言われた

 

僕があんなにきついのにそんな楽なことやってるなんて!と思って作業を見てみたらかなら大変そうできつい作業をしていた

 

それを見て僕はこう思った

「このおじさんは今までずっとこういうきついバイトの生活をやって生きてきたんだ。そして、どんなにきつくてもきついと思わずにラクショーだと思って耐え抜いて乗り越えてきたんだ」

 

僕はずっとキツイと思いながらやっててすごくキツかった

 

でもその事に気づいて「こんな作業で金貰えるなんて楽なもんだ」と思ったら心と体が一瞬でフッと軽くなった

 

これが過酷な肉体労働を耐え抜く極意なのかもと思った

 

きついと思うからよけいにきつくなるのだ

 

きつくても楽だと思えば本当に楽になるのだ

 

バイト最後の日に大切なことを学べてよかった

 

あまりに作業がキツすぎて作業の合間の数分ほどの流れてこない時に毎回しゃがみこんで動けなくなっていた

 

数分しゃがみこんでなんとか少し回復して立ち上がって作業にもどるということをひたすら繰り返し続けていた

 

この作業を通して

「労働とはただひたすら無心で手と体を動かし続けることだ」

と悟った

 

今までで最もきつく最も過酷な作業をしながら「最後を飾るのにふさわしい」とずっと自分を奮い立たせてなんとか耐えていた

 

正面で作業していた正社員の人がその後の作業の説明をときに僕はこんなことを言った

 

「過酷な仕事ですよね。正面で作業されてたのをずっと見てたのですが作業スピードの次元が違って動きも正確でめっちゃ凄かったです。ぼくなんども真似しようとしたんですけど全くできませんでした。しかも僕たちが2人でギリギリなのにたった一人でらくらくこなして別の作業までやっててめっちゃ凄いです。」

そしたら照れられて

「ありがとうございます。恐縮です。慣れですよ」

と礼儀正しく丁寧におっしゃった。

 

ヤマザキパンに来て思ったのだが、95%の人は非常に礼儀正しくて親切で優しくて良い人たちばかりだった。

 

たしかに、ごくわずか数人だけひどいパワハラをする人がいたが、パワハラする人なんてこの社会にはどこにでもたくさんいる。

 

どこで働くにしてもパワハラは必ずいるものだから、それも社会勉強だと思うことにした。

 

むしろたった数人というのはかなり少ないほうだと思った。

 

一方でたった数人のパワハラがその他全ての礼儀正しくて優しい人たちの評判を落としていると思ったらとてももったいなくて悲しいことだ。

 

最後の休憩では15分休んでいいと言われたのだが、3分だけリフレッシュルームで座って腰と背中を休めて8分で戻った。

 

最後のラストスパートを駆け抜けるために。

 

最後は休憩して回復した最後の力を振り絞って完全に全力でラストスパートを掛けた。

 

2人でやっていた作業だったが、正社員の人と同じく全て一人でやるために全頭脳と全運動能力を駆使してラストスパートを掛けた。

 

最後の最後に正社員の人の足元に及ぶくらいの動きができて満足だった。

 

その動きのまま作業を氏続けて終わりの18時になった。

 

最後に正社員の方に「お疲れさまです。こんなに過酷なところ初めてでした。」と言ったら、「そうでしょ〜。お疲れ様です」と笑いながら言ってくれた。











帰りにカードと名札を返して制服をクリーニングボックスに入れる時と工場を出る時に

「もう来なくて良いんだ」

と心から深く思った

 

駐車場まで歩く時は何度も工場を振り返った

 

歩く道の景色はいつもと同じ景色のはずなのにいつもと全く違う景色に見えていた

 

そしてこう思った

「自分は耐え抜ける人間なんだ」

 

そう感じて自分自身を誇らしく思った

 

自分で実際にやり抜いて自分自身で証明して、自分は耐え抜ける人間なんだと確固たる自信を持てた

 

来る前は自分自身に全く自信が無い人間だったのだが、

今は

「自分は耐え抜ける人間なんだ」

という自信に満ちている

 

自分はできる人間なんだと、耐えられる人間なんだと、自分自身がいちばんよく分かっている

 

自分で実際に証明して自分がそれも最もよく知っている

 

この確固たる自信を得られたのが最も大きいと今思っている







3月もギリギリまで働いても良かったのだが、

僕はあまりにも休みなく多く働きすぎたので

人事課の人に

「3月4日以降は絶対に来ないでください」

と言われてしまったのだ

 

正社員よりもはるかに多く休みなく働いてしまった








ラーメン春吉家で

MAX塩豚骨ラーメン麺増量1150円を頼んだ



このラーメンの味は一生忘れないと思う















ヤマザキパン工場の死ぬほど過酷できつい肉体労働苦行で、こんなことを死ぬほど体で思い知らされた

 

「千円稼ぐのはこんなにもキツくて辛い」

「勉強って実は楽だったんだ」

「勉強しなかったらこんなにきつい仕事を一生しなきゃいけないんだ」

 

どん底の人生経験をして過酷な肉体労働の苦行を耐え抜いて人生の色々な価値観が大きく変わった

 

本来、価値観はそうそう変わることない

 

価値観が変わるのは何かしらどん底で絶望を経験した時だ

 

色々な価値観や考え方が大きく変わったことで、僕は確かにどん底で絶望を経験したのだと分かった

 

それら全てをひとつも妥協することなく耐え抜いて他では得られない貴重なものを沢山得られた

 

特に忍耐力

 

「生きるのに必要な能力は忍耐力だけ」

だった

 

そして忍耐力を得るためには「自分の意思で苦痛を耐え抜く反復練習をする」しかない

 

きつさや耐えるというのは変わらないが楽に耐えられらようになる

 

親切で優しい人の方がずっとたくさんいたけど、酷いパワハラの人がほんの数人いて心が辛かった

 

プライドを切り売りして働くというのを死ぬほど体験した

 

「いい仕事とは何をするかではなくどんな人の元で働くか」

 

どんなに楽しそうな仕事でもパワハラの元で働くなら嫌でしょうがないし、パワハラや文句を言われれば消極的にしか動けなくなる。

 

一方で、キツくてつまらない作業でも自分が好ましいと思う人の元でなら楽しくなし、認められたり褒められれば積極的により楽しく動けるようになる。

 

社会的にヤバい人達と一緒に同じように働いたり、10も20も年下の高卒の人達から命令口調で命令されてその通りに動き続けることでプライドや尊厳を切り売りしながらお金を得ることを体で学んだ

 

3週間で17日間の苦行荒行の心の修行は人生でこんなに濃い経験初めてだった

 

正社員でも週に5日しか働けないのに、僕はそれを上回る量で働いた

 

短いようでとても長かった

 

ひたすらキツくて辛くて苦しくてひたすら長かった

 

たしかにこれ以上きついバイトは無いだろうなと思った

 

同時に「ここを経験してればどんな仕事もバイトも怖くない」と思えて生きるのが楽になってとても良かった

 

苦痛や恐怖に対する耐性が付いて強靭な心を手に入れられたと実感している

 

ヤマザキパンで出会った高校の三年間をヤマザキパンで耐え抜いた高校生が言ってた境地に達した気がした

 

こんなことを言っていたのを思い出して今僕は同じことを思ってる

「何とかなると思ってれば何とかなるもんですよ。やまない雨はないのと同じでこのキツイのもそのうち終わりますから」

 

無理だと思ってもなんとか食らいついて動き続けた。

 

労働とは無心で手と体をひたすら動かし続けることだと悟った

 

きついときにきついと思わない。キツくてもラクだと思うと本当に心と体が楽になった。

 

最後に、地獄の苦行を耐え抜けたことで

「自分は耐え抜ける人間なんだ」という強い自信を得られた。

そしてそれを一番良く知っているのは実際に経験した自分自身だという自信と誇りを得られた気がした。

 

本当に地獄かと思うほどに過酷できつい肉体労働だったけど、頑張って行って耐え抜いて本当に良かった。








今日の無料の試食パン

 

ふっくらたまご蒸しパン

たっぷり焼きそばマヨネーズ

ふっくらツナマヨネーズパン

チョコツイストサンド(カスタード&ホイップ)

カレーパン(2個入り)

セブンイチゴジャムパン

   クリームパン

   ソーセージパン

棒チョコ入りミニクロワッサン カスタード

ランチパックてりやきマヨチキン大盛り1.5倍

      つぶつぶピーナッツ(セブン限定)

      4種のスパイスカレー

      チョコまみれ入れちゃいました

      てりやきマヨチキン

      ソース焼きそば

薄皮ナポリタンパン

  たまごパン

ミニストップオールドファッションドーナッツ

生チョコクリームコロネ

 

17日間でのアルバイト代の合計 129,437円
労働時間136時間15分
予想通勤手当 10,200円(600円/日×17日)

 

こんなきつい経験は今後の人生でもう二度とないだろうなってくらい過酷できつかった。だけど、それを全て耐え抜いて今後の人生を生きていく自信を得られた。