AI、AIっていいかげんにしろよな

 

【第5章コンピュータ業界の今後】

 

AIAIっていいかげんにしろよな

 

AI(Artificial Intelligence)とは、人工知能のこと。ひと頃ほどではなくなりましたが、将来のコンピュータ技術の基幹をなす技として、今でもたいへんもてはやされています。となると、今後、AI技能がどんなふうに進展していくか興味深いところですが、

 

 

    AIAIって世の中が騒ぐ

 

ほど、たいした技術じゃないみたい。だいたい、AIという定義自体、誰もはっきりしたことを言わないのが業界内部での常識。だから、いきおいAIという言葉の使い方はルーズです。

 

たとえば、ワープロかな漢字変換をする時に文章一括変換ができそのためのアルゴリズムがどんなに単純な手順でも、AIと言い張るメーカーがあります。

 

見かけ上は、コンピュータが文章の意味を判断していることになるからだそうです。でも、文章の意味の理解ということの定義自体もあいまいだし、実際に使ってみて誤字あて字ばかりポンポン変換されるそのワープロを前にすると、とても人工知能搭載と言うのはおこがましいと思ってしまうのです。

 

その一方で、AIという言葉の使い道はますます拡がるばかりです。人工知能搭載(とカタログに書いてある)のエアコンや、留守番電話が実在しますし、そのうち、

 

    AIトースターや、AI電気釜

 

が登場するのも時間の問題でしょう。まじめにAIの理論構築に励んでいるICOTの人達がかわいそうです。

 

結局のところ、今、AIと言われている技術のほとんどは、今までの技術と何も変わることはありません。人工知能という言葉のひびきや、イメージのかっこよさから、やみくもに商品名にAIを入れるという

 

    技術途上コンプレックス

 

の表れだと見るべきでしょう。

 

就職雑誌にも、「当社はAI技術を研究中」と、よく載っているので本気にしないようにしてください。本当にAI技術をやってるかどうかを調べるには、電話で「おたくがおもに使っているプログラミング言語は何ですか」と聞けばよろしい。